2024閉幕レポートReport

おおさかシネマフェスティバル2024
華やかなゲストを迎え賑やかに開催!特別功労賞受賞の浜村淳の司会に笑い溢れる

おおさかシネマフェスティバル2024
2024年3月3日、おおさかシネマフェスティバル2024が開催され、 高橋聰実行委員長の代理で登壇した春岡勇二選考委員長が「2023年は色々なことを考えさせてくれる映画があり、 考えたり、気づかせてくれるというのも映画の役割のひとつだと思います。 今年に入り、元旦には能登地方の大地震が、世界を見渡しても紛争や戦争が続き、心塞ぐようなことが連日起こっていますが、 今日だけは昨年の素晴らしい映画に想いを馳せ、映画を軸に、なんとか心豊かになれる、そういう1日になればいいなと思っております」とご挨拶。 午前中は、特別功労賞受賞の浜村淳さんが選んだ一本、総天然色の日本初カラー映画『カルメン故郷に帰る』の上映が行われました。

午後の表彰式では、総合司会の浜村淳が冒頭トークで『カルメン故郷に帰る』の撮影秘話からはじまり、 映画の始まりまでさかのぼっての名調子が止まらなくなる一幕も。 コロナにより途絶えていたスペシャルサポーターによる花束贈呈が4年ぶりに復活し、感動シーンも多数生まれた表彰式の模様をご紹介します。

おおさかシネマフェスティバル2024
主演女優賞:松岡茉優『愛にイナズマ』
(映画監督を目指す)折村花子のキレ具合や泥臭さに共感しながら演じていました。映画を観てくださり、 悔しい想いや理不尽な目に遭った思い出を話してくださる方がたくさんいらっしゃることもわかりました。 (『愛にイナズマ』を観て)花子に熱いエールをもらってください。

おおさかシネマフェスティバル2024
主演男優賞:鈴木亮平『エゴイスト』(ビデオメッセージ)
『エゴイスト』は、愛とエゴの話で、私にとっては人間ってなんと素晴らしいのかと思える人間賛歌の映画です。 これからも「鈴木、よくやった!」と言われる作品を撮って、この場に戻ってきたいです。

おおさかシネマフェスティバル2024
助演男優賞:磯村勇斗『月』
助演男優賞受賞で、このような形で大阪に来られることを嬉しく思います。 『月』という作品は非常に難解で、社会的テーマが強いので、どういう風に届くのかと思っていましたが、 みなさんの心や脳内に届いていることを実感しています。ありがとうございました。

おおさかシネマフェスティバル2024
助演女優賞:中村久美『高野豆腐店の春』
俳優歴45年ですが、この作品で初めて賞をいただきました。 三原監督と藤竜也さんが組まれた3本目で、最小限の日程、人数で大急ぎで撮り、和気藹々とした信頼のもとで作り上げた映画です。 そんな小さな愛おしい作品で、このような場に立たせていただくことをありがたく思っています。

おおさかシネマフェスティバル2024
新人男優賞:黒川想矢『怪物』
大阪の方から手紙をいただいたり、ティーチインの様子を見ていて、 大阪でも映画『怪物』を好きな人がたくさんいるとは知っていましたが、このような賞をいただけて、嬉しいです。 『怪物』に出る前まではこのような奇跡を起こすことはできなかったので、是枝組や映画『怪物』に感謝しています。

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新人男優賞:柊木陽太『怪物』
(共演の黒川想矢さんと)撮影中話しつつ、喧嘩しつつ、撮影地の長野県でいろいろなところに行っていました。+ 出身が京都で、関西で受賞できるのはすごく嬉しいです。本当にありがとうございます。

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新人女優賞:サリngROCK『BAD LANDS バッド・ランズ』
演劇も映画も、すべての要素が掛け算になっていて、この賞を私に撮らせてくださった作品への賞だと思ってます。 映画『BAD LANDS バッド・ランズ』をこれからもよろしくお願いします。

おおさかシネマフェスティバル2024
新人女優賞:中野有紗『PERFECT DAYS』
何もかもが初めて、外国の監督で不安でしたが、言葉の壁を超えて心が通じ合うものがあっりました。 (ヴィム・ヴェンダース監督は)ありのままの私を受け入れ、私そのままでいさせてくださり、役所広司さんは初めてで不安の中、優しく導いてくださいました。 初めての映画でこのような素晴らしい賞をいただくことができたのは『PERFECT DAYS』チームのみなさんのおかげです。 これからも演技に真摯に向き合って頑張っていきたいと思います。

おおさかシネマフェスティバル2024
日本映画作品賞『PERFECT DAYS』高崎卓馬
海外でも映画が公開され、渋谷に来られた外国人がトイレ巡りをし、名所になりつつあります。 役所さんはセリフがほとんどなかったのですが、脚本に書いていない部分を、役所さんが本当にそこにいる人として演じてくださいました。 今も全国で230館上映しています。とても繊細で小さな話ほど、大きなスクリーンで観ると感じるものがあるのではないかと思いますので、 2回、3回とぜひ観ていただきたいです。

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外国映画作品賞『TAR/ター』下高原啓人
素晴らしい賞をいただき、ありがとうございます。 宣伝という立場で2年連続このような場に立たせていただけるのは嬉しいですし、洋画邦画問わず素晴らしい作品が多いですので、 映画館で洋画邦画を観ていただけば表彰いただいた意味があると思います。

おおさかシネマフェスティバル2024
監督賞:石井裕也『月』
大阪芸術大学で学びはじめたので、大阪に来ると初心に戻る気がします。 いつも見ることのない、見ようとしない世界を描いているので、どう広く、深く見せるかを一番苦労しました。 いろんな大変なこともありましたが、作ることができて今は本当に良かったと思っています。スタッフ、キャスト、関係者のみなさんに感謝します。

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脚本賞:港岳彦『正欲』
デビューしてから脚本賞をいただいたのは初めてで嬉しく思っています。 朝井リョウさんの原作や岸善幸監督、稲垣吾郎さん、新垣結衣さん、磯村勇斗さんらによって良い作品になりました。 生きづらさを抱えた人たちの寓話と思って脚本を書きましたが、生きづらさを抱えた若い友人が、 「『正欲』が劇場公開されていること自体が自分にとっての救い」と言われ、この仕事をやってきてよかったと思いました。

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撮影賞:近藤龍人『怪物』
エンドロールに流れている全てのスタッフの想いや狙いが詰まっていないと撮影はうまくいかないし、それを代表してこの賞をいただけていると思いますし、 それが(ご覧になった)みなさんに伝わって嬉しいです。ありがとうございます。

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音楽賞上原ひろみ『BLUE GIANT』
原作漫画があるので読者の数だけ音楽が鳴っている中で、これがその音楽と提示するのが難しかったです。 この映画に関わらせていただいて、エンドロールを見たとき、映画はすごい数の方が関わっているなとびっくりしました。 その人たちが全員きっと伝わるという想いで取り組み、想いをまとめてくれた立川譲監督に感謝しています。 大好きな漫画『BLUE GIANT』の音楽を手がけられて幸せでした。

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新人監督賞:金子由里奈『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』
この度はあたたかい地域の皆様に支えられた映画賞をいただき光栄に思っています。
撮影は2年前の今頃で、映画業界のハラスメントを見直す動きや、ウクライナ侵攻とどう向き合えばいいのか、迷いながら作っていました。 不器用な作りになりましたが、だからこそ届くところがあったのでしょうし、その不器用さが良かったと思います。 この受賞を機に新たにこの作品に出会っていただき、何かの対話のきっかけになればと思っています。

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新人監督賞:阪元裕吾『ベイビーわるきゅーれ 2 ベイビー』
邦画の実写で少年ジャンプみたいなことをしようというのが発想の発端でした。
『ベイビーわるきゅーれ 2 ベイビー』では社会の話を入れつつ、違う星の話ではない、自分ごとのようにしながら、 痛快な殴り合いを見られるアクションエンターテインメントを目指しました。秋公開予定のパート3を楽しみにしていていただきたいです。

おおさかシネマフェスティバル2024
ワイルドバンチ賞:松本優作『Winny』
事件当時は小学生ぐらいで、事件を理解できていませんでしたが、今の日本の問題点が20年前とかわっていないことがわかりました。 刑事裁判の問題、人質司法など、映画を通して議論できるきっかけになればという想いで作りました。 これからも、映画を通して世の中に訴えかけたり、議論になるきっかけになるような作品を作っていきたいと思います。

おおさかシネマフェスティバル2024
特別賞:大森一樹著書「映画監督はこれだから楽しい わが心の自叙伝」に対して 大森靖子
大森はおととしの11月になくなり、昨年3月3日に大阪で偲ぶ会を開いていただき、72歳の誕生日になる今年の3月3日にこのような表彰をしていただきました。 大森の映像や本は残っているので、機会があれば触れていただきたい

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関本郁夫著書「映画監督放浪記」に対して 伊藤彰彦(編集者)
関本監督は15年ぐらいずっと執筆しておられ、その出発点がおおさかシネマフェスティバル(の前身)。 その本を同映画祭で表彰いただくということで、感無量です。

おおさかシネマフェスティバル2024
<手紙代読>
この映画祭は高橋君が作った。高橋君なくしてシネフェスはできなかった。
誰かが変わってこの映画祭が続くと信じています。あなたの作ったこの映画祭なくして、私の映画人生はなかった。 また戻ってくることができて嬉しかったです。

おおさかシネマフェスティバル2024
特別功労賞:浜村淳「ありがとう浜村淳です」50 周年を祝して
MBSラジオ「ありがとう浜村淳です」は50年続きました。 90歳なので3月いっぱいで終わりますが、4月以降は「ありがとう浜村淳です」土曜日と日曜朝の新しい音楽番組を続けます。 みなさんが支えてくださったおかげと感謝申し上げます。ありがとうございます。

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